府民アピール

府民のみなさんへのアピール

憲法と教育本来のあり方にそむく「『君が代』起立・斉唱強制条例」をつくることは絶対に許されません

府民のみなさん。

 5月17日、橋下知事は、「入学式や卒業式での『君が代』斉唱時に起立しない教職員に対する免職処分の基準を定めた条例案を9月府議会 で審議する」との意向を明らかにしました。それと一体に、橋下知事が代表を務める「大阪維新の会」は、「君が代」斉唱時に起立と斉唱を教職員に強制する 「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員の国歌の斉唱に関する条例案」を府議会に提出しました。

 憲法19条が定める思想・良心の自由は、国家や権力者が侵してはならない国民に保障された権利です。また、教職員と子どもたちとの全人 格的なかかわりの中で営まれる教育には、教職員の専門性と自主性の尊重が不可欠であり、条例や規則、命令によってがんじがらめにされてはならないもので す。入学式は最初の授業、卒業式は最後の授業です。このような教育活動に政治が介入したり、不当な支配をしてはならないというのが、戦前の歴史の反省の上 にうちたてられた憲法の大原則です。「『君が代』起立・斉唱強制条例」は、教職員の思想・良心を条例や職務命令で縛ることによって、子どもと教育を支配し ようとするものだといわざるをえません。

 1999年、国論を二分するような議論の中で、「国旗・国歌法」が制定されました。「国旗・国歌法」は「『日の丸』を国旗とし、『君が 代』を国歌とする」と定めましたが、小渕首相(当時)は「義務づけをおこなうことは考えていない」(1999年6月29日 参議院本会議)と答弁しまし た。また、野中官房長官(当時)は「式典等において、起立する自由もあれば、また、起立しない自由もあろうかと思うし、また、斉唱する自由もあれば、斉唱 しない自由もあろうかと思うわけで、この法制化はそれを画一的にしようというわけではない」(1999年7月21日 内閣委員会文教委員会連合審査会)と 強制はなじまないとの見解を示しました。橋下知事や「大阪維新の会」が「公務員や教職員はルールを守るのが当然」だから起立・斉唱の義務を条例化するとの 言い分は、こうした「国旗・国歌法」の審議経過に照らしてみても間違っているのではないでしょうか。

 府民の要求でもなく、あまりにも唐突な知事の表明や「大阪維新の会」の条例提案に対して、多くの識者が疑問や異論を表明されているのは 当然のことです。黒岩神奈川県知事は「『君が代』や『日の丸』に敬意を払うことは当然」としつつも、「強制されて国歌をうたうとか『日の丸』に向きあうと いうのは本当の愛国の気持ちではない」「強制するとか処分だとかはなじまない」と記者会見で述べています。教育評論家の尾木直樹さんも「時代錯誤の主張で 理解できない。表現の自由は民主主義の基本。これではまるで北朝鮮で、国際社会からの批判は必至だ」(5月18日付「スポーツ報知」)とのコメントを発表しています。

府民のみなさん。

 いま、府民のみなさんが学校や教育に求めているのは、「日の丸」や「君が代」の学校へのおしつけでしょうか。そうではありません。「経 済的な心配もなく学校に通わせたい」「少人数学級や先生を増やしてほしい」「学校の耐震化を急いでほしい」、これらが父母や府民のみなさんの願いではない でしょうか。そして、こうした府民の要求に応えるのが、知事や大阪府政の仕事ではないでしょうか。

府民のみなさん。

 「『君が代』起立・斉唱強制条例」をつくることは、憲法と教育本来のあり方にそむく重大な問題です。このようなことが、府議会で決めら れるならば、歴史に重大な汚点を残すことになります。「起立や斉唱を条例で強制するのはおかしい」との思いは、「日の丸」や「君が代」にどのような意見や 感情をもつ人でも、同じではないでしょうか。

 「『君が代』起立・斉唱強制条例をつくらないでください」、この私たちの願いを橋下知事と大阪府議会にとどけようではありませんか。

2011年5月26日

子どもと教育・文化を守る府民会議
憲法改悪阻止大阪府各界連絡会議 
自由法曹団大阪支部       
民主法律協会          
国民救援会大阪府本部      
全大阪労働組合総連合      
大阪教職員組合         

投稿日カレンダー

2017年10月
« 9月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

アーカイブ